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現代の商品開発
現代の商品開発
 
はじめに

現代は大ヒット商品が出難いと言われますが、景気の低迷はあるものの、そのこと自体が直接の原因ではなく、景気が低迷しているからこそヒットしている商品も多くあり、またその場合、価格・コストがキーワードの一つになっていることは勿論です。

ただ、大ヒット商品が出難い最大の理由は消費者・ユーザーの多様化にあります。消費者・ユーザーの価値観、ライフスタイル、そしてニーズが多様化した現代において、多様なニーズに対応する一つの商品を創出することは容易ではありません。しかし、このような商品が誕生したときには企業や個人に多大な利益をもたらすこととなります。

 
総 説

商品には、最寄り品(消費者が近くの店で気軽に購入する比較的安価な商品)、買回り品(消費者が価格、品質等を比較検討した上で購入する商品)、専門品(消費者が専門的知識を得て購入する商品)がありますが、商品開発にあたって、生産→流通→消費→廃棄の他、現代における環境保護や資源の有効利用の見地から更に、→回収→再利用までを含めたトータルな商品開発を行う必要があることは勿論です。

また、マズローの欲求段階説によれば,現代社会は第4段階(他と違う自分への願望)から第5段階(独自のライフスタイルの実現要求)にあり、そのため、消費者への個別対応性や自己実現性を満足する商品の開発がいっそう要求されてます。

 
ヒット商品開発のアプローチ

商品開発にあたり、先ず

【1】 開発対象分野の商品の現状を分析し、
【2】 何故そういう現状になっているかのメカニズムを解析し、
【3】 解析したメカニズムにおける変化要因を抽出し、
【4】 抽出した変化要因に基づいて、開発対象商品がヒットするために具備すべき要素を検討する。
【5】 次に、開発対象の商品コンセプトを明確化する。
   

前記【1】における現状分析にあたっては、開発対象商品についての独自の分類を作成するのが有効です。一般的な商品分類としては、日本標準商品分類や標準国際貿易分類等が知られていますが、このような制度分類ではなく、開発対象商品独自の分類を作成するのです。そして、このような独自の分類を作成することで、業界における自社およびその商品と複数の他社、およびそれらの商品との位置付け等が明確となり、今後の商品開発戦略の指針となり得ます。

前記【1】における現状分析にあたっては、開発対象商品のライフサイクルを分析するのも有効です。通常、商品は下図のように、導入期→成長期→成熟期→衰退期の4つのプロセスをたどりますが、開発対象商品が現在どの時期にあるかを把握します。ただし、ここで重要な事は、開発対象商品を具体的に絞ってライフサイクル曲線を作成することです。

例えば、デジタルカメラのライフサイクル曲線を作成する場合、デジタルカメラ全体の販売数で作成するのでなく、画素数や動画機能等をある程度特定して作成することが重要です。これは、例えば1,000万画素未満のものと1,500万画素以上のものとでライフサイクル曲線が異なってくることが考えられるからです。

ライフサイクル図
 
ヒット商品の開発手法

企業における商品戦略としては、市場細分化戦略、商品差別化戦略、非価格競争戦略、計画的陳腐化戦略等がありますが、どのような戦略においても開発対象商品の市場適性を高めることが最終目的です。商品の市場適性を高める代表的な基準として、良質安価であることが挙げられます。

しかし、技術が高度化し、商品の品質・機能および価格に大差がなくなった現代市場において、良質安価な商品を開発すれば売れるのでしょうか?冒頭で述べました通り、消費者・ユーザーの価値観、ライフスタイル、そしてニーズが多様化し、個別対応性が要求される現代市場においては、良質安価+アルファが要求されるのではないか。

例えば、開発対象商品について、市場細分化戦略をとり、ターゲットとなる消費者・ユーザー層を絞った場合、その消費者にとって前記+アルファとなり得る要素を開発対象商品に盛り込むことが重要です。具体的には、例えば商品購入後のサービス、保証、管理等といった実益的なものや、省エネルギー、無害性、リサイクル性等といった環境的なもの、或いは商品を消費者・ユーザーが所有した場合に実現され得るライフスタイルの具体的な提案といった心理的なもの等です。

 
 
最後に

商品開発のフレームとして、大きく分けてニーズ対応型商品開発とシーズ展開型商品開発とがありますが、前者はすでにある消費者・ユーザーのニーズに対応するように商品を開発するものであって、通常行われる商品開発のフレームです。一方、後者のシーズ展開型商品開発は、消費者・ユーザー側に明確なニーズが存在しない場合でも、誕生した新しい技術を利用して従来なかった機能・性能・品質を有する商品を開発し、消費者・ユーザーの需要を創出する商品開発のフレームです。  
 そして、前述したいずれの商品開発フレームにおいても、開発対象商品について、誰が(Who)、いつ(When)、どこで(Where)、何を(What)、どのように(How)という4W1Hを明確化することが重要です。

 
ヒット商品はこうして生まれた!

  町工場で生まれた
  ユニークな発明品!

 傘ぽん                       特    許 第2562806号
                            商標登録 第3196611号

 

 

 

             出展[ヒット商品を支えた知的財産権]: 日本弁理士会

 

 

  最後の開発に夢を託した、そして夢は現実になった

   ゲームソフト
  ファイナルファンタジー

特    許 第2794230号
商標登録 第2218951号

 

 

 

            出展[ヒット商品を支えた知的財産権]: 日本弁理士会

 

 

  21世紀のお守り

   ココセコム

特    許 第4302474号
     同 第3886455号
意匠登録 第1212442号
商標登録 第4634492号


ほか

ほか

 

            出展[ヒット商品を支えた知的財産権]: 日本弁理士会

 

 

  テーピング効果を備えた
  高機能ウェア

   CW-X


●HZO−579(メンズ)
●HZY−179(レディス)

 

特    許 第1919040号
     同 第3012819号
意匠登録 第1021887号
商標登録 第4640682号


ほか

ほか

 


 

            出展[ヒット商品を支えた知的財産権]: 日本弁理士会

 

 

 主力製品の知財保護

   単一軸型長尺内面研削
  スピンドルユニット

特    許 第5261696号

 

 

          出展:一般社団法人 滋賀県発明協会 知財総合支援窓口

 

 

 人の代わりに働く産業用ロボット

   MOTOMAN-SIA,
  MOTOMAN-SDA

特    許
     同 

第3402378号
第4888582号  ほか

 

 
 

 
  

 

   出展 「PATENT ATTORNEY」2013年 VOL.69: 日本弁理士会

 
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